今月の雑記のテーマは「秋のおでかけ」です。
ハダカデバネズミをご存知でしょうか。
名前のとおり毛のない出っ歯なネズミで、脊椎動物ではとても珍しく女王制の社会生活をしています。女王様がいて、働きデバや兵隊デバがおり、30年以上の寿命があって、ほとんど老化をしないという、とても興味深いいきものです。
産まれたばかりの赤ちゃんデバは、自分の体を肉ぶとんにするふとん係によって保温されます。おとなデバたちと赤ちゃんデバたちがぎゅうぎゅう詰めにひしめき合っている様子は、なんだか楽しそう。
太めの兵隊デバの主なお仕事は、巣穴にやって来た天敵に食べられること。お腹がいっぱいになれば、敵は帰ってくれるのです。健気。
すきあらば仕事をおさぼりするデバもいるようで、女王様は自ら、定期的に巣穴のパトロールもします。ちなみに見つかって怒られたときは、「服従のポーズ」で赦してもらうとか。誰だってときには怠けたいと思うこと、ありますよね。
ハダカデバネズミの生息地は、東アフリカです。
忙しいときや疲れたとき、うまくいかないことや気が滅入るようなことがあるときでも、遠く離れたアフリカの大地の下では、デバたちが変わらず巣の中を走り回り、サボったり女王様に怒られたりしながら、人間の世界のことなど一切気にせず暮らしていると思うと、嬉しくなります。
アフリカにはとても行けそうにありませんが、せっかくの秋のおでかけシーズン。
お天気のよい日に、久しぶりに上野動物園へデバを観に行こうと思います。