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鬼が来たら帰れ

こんにちは。典拠 小松です。
今月の雑記は、流行にのって?「鬼」がお題です。

今年の節分は124年ぶりに2月2日ということが話題になっていましたね。
我が家では、豆を買ってきたら節分前に食べきられてしまい、恵方も調べずに手巻き寿司を食べました。何かいろいろ間違っていますが...

さて、ありがたいことに日常生活で滅多に鬼らしいものにお目にかかることのない私。「鬼」というお題で思い出したのは、高校時代の漢文の授業です。

「鬼が来たら帰れ」(ヲニが来たら帰れ)

と覚えていたのですが、この記事を書くにあたって調べなおしたら、

「鬼とあったらそこより返れ」(ヲニト会ったらそこヨリ返れ)

とありました。

これは、返読文字のルールですね。

書き下し文に「ヲ」「ニ」「ト」「ヨリ」が付く場合は、それとつながる述語はその単語の前に来る。「返り点」「一二点」などがつくシチュエーションです。

「読書」「救急」「入虎穴」

このルールを改めて考えると、白文を読むためのルールです。高校時代は白文は歯が立たなかったので「適切なところに訓点をふりなさい」というような漢文のテストをうまくやり過ごすために覚えたのでしょう。

訓点は本来、白文を解読した人が次に読む人(あるいは後で読む自分)のために訓点をほどこし、それを書き下し文で音読したり、順番をたどって理解するためのものだったはず。

今更ですが、漢文の授業をとっていた高校時代に、こうした順序を全く考えずに簡単なルールと丸暗記で試験をやり過ごしていたことに気づき、少々恥ずかしくなりました。

その後、卒論で日本漢文なども含めて白文を読んだり、趣味で書道をしたり漢詩を作ったり、漢文との接点は人よりだいぶ多かったと思います。ここ10年ほど漢文との接点はなくなっていたことの今気づいたので、この機会にまた中国文学の本を読んでみようかと思いました。

文化を好きになって漢文に親しむようになるのか、漢文から歴史や文化を知ってみたくなるのか、どの順序にしても漢文に親しむならば中国文化への理解は必須ですね。

近刊にこんな本がありました。同じ著者の既刊もご紹介しておきます。

「漢文で知る中国 名言が教える人生の知恵」

加藤 徹(著)
NHK出版(2021.1)

「漢文の素養 誰が日本文化をつくったのか?」

加藤 徹(著)
光文社(2006.2)

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