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身近にして歴史も古く~分類・件名のおはなし・111~

梅雨入りのニュースが続々と届き、関東地方もいつ来るかとそわそわします。
社屋の窓から下を見ると色とりどりの傘が川を流れる花のようです(詩情)。
この時期手放せない傘ですが、そういえばいつから使われているのでしょうか。

NDC10版では、傘は589(その他の雑工業)の下にあります。

589.3 傘.ちょうちん.扇.うちわ
589.4 洋傘.杖.ステッキ

と、2つの記号に分かれています。洋傘と区別されているところから、589.3に入るのは和傘と判断されます。
どっちも「手に持つ道具」系ですが、589.3の項目名が材料ポイント(竹・木&紙)なのに対して、589.4が用途ポイント(おしゃれ小道具)なのが私にはちょっとおもしろいです。
まあ、扇やうちわをおしゃれで持つこともあるかもしれませんが...。提灯は...どうかな。

洋傘はこうもり傘ともいいますが、ジャパンナレッジ所収の「日本大百科全書(ニッポニカ)」の「こうもり傘」の項に、「傘をつぼめるとステッキにもなるのが斬新で人気を博した。明治初期の文明開化の商品として、シャッポ、洋服、靴とともに男性の持ち物であった。」とありました。洋傘はステッキの同類なのですね。

さて、同じく「日本大百科全書」「傘」の項をみると(ついでながらこの項目が詳しくてとても面白かったです)、「傘は古代オリエントに始まり」という表現が。えっ。
傘の歴史は人類の文明とともに始まる...!

こうした、古来より傘がどう用いられて来たかというような図書の場合は、383(衣食住の習俗)の下の383.4に分類しています。

「アンブレラ」

T.S.クローフォード(著),別宮貞徳,中尾ゆかり,殿村直子(訳)
八坂書房(2002.8)

TRCの件名は、和傘、洋傘とも「傘」を用いています。

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