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小さいけれど大きな発見 ~新設件名のお知らせ2021年6月分~

明日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名のお知らせ」を掲載しています。
新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。

6月の新設は2件でした。そのひとつが「ニホニウム」です。


ニホニウムは原子番号113、元素記号Nhの人工放射性元素。アジアで合成された初めての元素。

『ジャパンナレッジ 日本大百科事典』によると、
理化学研究所の森田浩介らが亜鉛原子核をビスマス原子核に衝突させる実験を行い、2004年に合成の成功例を報告したとのこと。

原子番号30の亜鉛を原子番号83のビスマスにぶつけると、一瞬だけニホニウムが合成されるんですね。
そんな言い方だと単純に聞こえてしまいますが、実際には大変な時間と費用のかかる実験です。

何せあの小さな原子同士を超高速で衝突させなくてはいけません。大掛かりな装置を用いて、データが十分に取れるまで実験を重ねる必要があったようです。


新元素は、今のところ物質として活用できるわけではありません。
ですがこれらを合成しデータをとることで、人類は原子核の性質をより深く知ることができます。

「ニホニウム」

小浦 寛之(著)
共立出版(2021.6)

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