今月の雑記のテーマは「夏」です。
小学校低学年くらいまで、お盆の季節になるとほぼ毎年、母の実家に泊りがけで遊びに行っていました。
母は8人兄弟の下から2番目、おじちゃん・おばちゃんと呼ぶほど年の離れたいとこも多くいました。
お盆と言えばお墓参りです。
実家から少し歩いたところに先祖代々の墓地がありました。
霊園のように美しく区画整理された墓地ではなく、雑木林のようなところにばらばらっと大小さまざまな墓石が立てられている墓地でした。
迎え盆の夜は提灯を手に真っ暗な田舎道を歩き、そのちょっと怖い墓地までご先祖様をお迎えに行ったものです。
墓地に着くとそれぞれのお墓にお線香をそなえ、年上のいとこたちが迎え火を焚いてから帰るのですが、そのときに必ず言われたことがあります。
「家に着くまで振り返っちゃだめだよ。ご先祖様が後ろを歩いてくるからね。」
からかっていただけなのかも知れませんが、まだ純粋な子どもだった私はその言葉を疑うことなく信じていました。
振り返りたい、見てみたい、でもできない...。
あのぞわぞわした、でもほんの少しワクワクも混じった感覚が懐かしく思い出されます。