今月の雑記のテーマは「記憶に残るオリンピック」。
東京五輪は波乱尽くしに進んでいますが、これまでの様々な大会において、アスリートたちの粉骨砕身する姿に胸を打たれたことがある方も多いのではないでしょうか。
このお題でまず頭に浮かんだのが、2000年開催のシドニー五輪での女子マラソン。「Qちゃん」の愛称で親しまれた高橋尚子さんが金メダルを獲得しました。
自分はマラソンはおろか走るという行為そのものが大の苦手でしたが、高橋さんの力走を食い入るように見つめたことをよく覚えています。他の優勝候補を引き離し、自分のペースを守りゴールテープで両手を掲げた姿はとても美しく、「楽しかった」とカメラに向けた笑顔も、それはそれは眩しいものでした。
当時のインタビュー記事を読んでみると、「レース前から楽しみで仕方なかった」「楽しもうと思って臨んだ」と前向きに語る様子が数多く記録されていました。スポーツは基本的に勝利にこだわるものですが、自分のために楽しむことの意味を示した高橋さんは、オリンピック陸上女子に初の金メダルをもたらすという偉業を成し遂げたと同時に、多くの人に大きな希望を与えたと思います。
日本ではその後マラソンブームが起き、競技人口も増えたそうです。
「自分との戦い」の面が大きいマラソン。ランナーズハイとは一体どんなものなのか、一度でいいから経験してみたいものです。