今年からバージョンアップしたTRC MARC。
人名・団体名の典拠ファイルも変化しました。前回の「典拠のはなし」ではファイル同士の紐付け(関連)の範囲を拡大したことをご紹介しました。
今回は、「おおよその生没年」および「活動時期」の記録について。
同名異人、あるいは異名同人を区別する際、その人が生まれた年、亡くなった年がわかれば判断しやすいです。
TRCの人名典拠ファイルには「参考生没年」という項目があり、そこに図書や参考資料から判明した生没年を記録しています。
例
参考生没年:820~880
参考生没年:1922~
※生年、没年がはっきりわかっている場合はこのように記録
今回、「参考生没年」欄に記録する情報の範囲を○○年頃に生まれた、あるいは亡くなったとか、××時代に活動していたとか、そういった「おおよその生没年」「活動時期」に拡大しました。
「おおよその生没年」の例
参考生没年:303頃~361頃
参考生没年:1167頃~1227
※諸説あるが、大体の年はわかっているような場合はこのように記録
「活動時期」の例
...はまだ実例ではあまり出現していないので、仮に今後出たらこうなるという想定例をご紹介します。
参考生没年:7世紀頃
参考生没年:江戸時代後期
参考生没年:享保頃
※活動時期とする文言は、世紀や時代区分、日本人の場合は元号などで記録します。
これまで「おおよその生没年」「活動時期」は、「職業・専門等」という項目に肩書などの情報と一緒に記録していました。それを「参考生没年」に切り分けることで、『日本目録規則2018年版』でいうところの「個人と結びつく日付」として、一つの項目に記録されることになります。
検索のしやすさや同定識別のしやすさに、お役に立てるかと思います。