本日は「週刊新刊全点案内」2254号の発行日です。
掲載件数は 1221 件でした。
*こんな本がありました*
「失われゆく我々の内なる地図 空間認知の隠れた役割」
我々が遥か昔から持ち続けてきた「ナビゲーション能力」=空間把握により目的地までの道を探す力をテーマにした書籍です。
この能力は近年テクノロジーの発達により利用される機会が減少し、衰えつつあるとのこと。
知らない街では100mごとにスマートフォンの地図アプリを確認し、ともすればショッピングモールの中でさえ迷う方向音痴の自分にとっては耳が痛いお話。
北極星を探すのも地図を読むのも下手な私はテクノロジーの発達に救われていますが、裏を返せば甘やかされ、自分で道を探す機会を失っているのかもしれません。
本書では子どもにおける発達や脳の仕組み、空間と記憶の関係、道を見つける戦略、なぜ人々が道に迷うのか、認知症、GPSの影響......等々、人間の空間認知能力が様々な側面から描写されています。
例えば認知症の見当識障害(自分が今いる場所や、現在の季節や時間などがわからなくなること)はナビゲーション能力の損傷と深い関係があるそう。
ナビゲーション能力は他にも様々な心の働きと関わっているようで、興味深いです。