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変わった毛色の少女漫画

4月の雑記のテーマは、「思い出の漫画」です。
 
はてさて、おもしろくも難しいこのテーマ。
いつまでも推しである萩尾望都「ポーの一族」にするか、高校受験前夜3時(!)に読みふけってしまった「うちの三姉妹」にするか悩みましたが......
思い出の、という枕詞に続くのは、やっぱり川原泉作品です。
 
 
流行りの漫画やゲーム、バラエティ番組といったエンタメにほとんど触れない小学生時代を過ごした中で、じっくりと読みこんだ数少ない漫画が川原作品でした。
(あるとき母の本棚に刺さっていたのを見つけ、こっそり読んでいたのです(すぐにばれましたが......なんででしょう))
「家に漫画がある!」といった興奮もありましたが、登場人物に職業についた大人がたくさんでてくるのも(児童文学の主役はだいたい子ども)当時のわたしにとってなによりの魅力でした。
川原泉先生の代表作としては「笑う大天使」が有名ですが、「中国の壷」をはじめとする短編も根強いファンがついており、わたしもそのひとり。
 
彼女の作品の魅力は、なんといっても「独特のユーモア」と「人間観」。
特に後者で得た「女性が必ずしも可愛らしくいなくてもよい」「男性が女性の服を着ることもあるし、本人らに害がなければそれでもいい」「性別・年齢にとらわれず生きている人もいる」等々の視点は、男だの女だの人生だのといった概念や価値基準がふにゃふにゃだった小学生の頭にスッと入り込み、わたしを成す価値判断基準のひとつと相成ったのでした。
 
「飛行機は着陸が一番難しい」「パセリを撒くととんでもない勢いで増える」「はじめて宇宙に行ったのは生物は犬」「魚河岸あげはとても美味しい」といった知識を得たのも彼女の漫画から。
連載当時、川原先生のあだ名が「カーラ教授」だったというのを教えてもらったのはつい最近ですが......
なるほど、たしかにピッタリの二つ名かもしれません。
 
 
そんな教授の最新作が5月に出るとのこと、今からとっても楽しみです!


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