明日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名のお知らせ」を掲載しています。
新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。
2022年6月に新設した件名標目は1件、「かばのき」でした。
広辞苑にはカバノキ科カバノキ属の樹木の総称とあり、2番目に「特に、シラカバ」とあります。樹皮が美しいですよね。
ところが同じ広辞苑で「かば【樺】」をみると「①(桜の)樹皮 ②樺の木。特に、シラカバの別称」となっていて、桜が先?と驚きます。伝統工芸品の秋田県角館の樺細工も、用いられるのはカバノキの仲間ではなくヤマザクラの樹皮だそうです。
「かば」は「かにわ」という古語が転じたものとされています。では、と「かにわ」を引くと...「かにわ【樺・桜皮】シラカバの古名か(一説に、ウワミズザクラの古名)。また、その樹皮」とあり、サクラかシラカバかどっちなのという気になりますが、植物分類上の区別よりも「樹皮が利用できるあの木」という点が重要だったのかなと感じます。
シラカバは樹液が飲用や炊飯に使われたりと樹皮以外も用途が広いようです。
今回「かばのき」を新設したのはこちらの本ですが、生活上の利用にとどまらず文化に与えた影響も知ることができます。
「カバノキの文化誌」