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能装束の作り手

本日は「週刊新刊全点案内」2266号の発行日です。
掲載件数は979件でした。


*こんな本がありました*

「能装束精解 製作の現場から」

佐々木洋次(著) 長艸敏明(ゲスト) 小辰恭子(聞き手)
檜書店(2022.3)


個人的にこんなんでいいのか?という反省はありますが、何もかも嫌になると能を観に行きたくなります。現実ではない遠い世界にいざなわれる感覚でしょうか。
今は字幕表示がある公演もあり、謡の詞章が聞き取れなくてもへっちゃらです。面を付けたこの世のものでない者の、こんなことがあってさヨヨヨ...と切々とした訴えに、そうなのか辛かったんだねウウウ...といつの間にか感情移入。もちろんいつもそうとは限らず、足しびれないかな?手に持っているT字型の枝は?いま何の時間?などと集中力が途切れることも多々あります。

そして、能独特の装束に目を奪われます。
装束そのものに神々しさを感じたり、柄on柄の高度なファッションセンスにときめいたり、色や柄に意味合いを想像したり。
製作にはどのくらいの時間がかかるんだろう? 全部着たら一体何キロ!?お手入れはどうやって?と様々な疑問が湧いたりもします。

そんな能装束を作っている人がいる。当たり前ですが、この本を手に取り、改めて特殊な職業に興味を惹かれました。
おいそれとは垣間見られない世界。
著者は令和2年文化庁選定保存技術「能装束製作」技術保持者の第一号として認定された佐々木洋次氏。
聞き書きなので、製作者の生の声が感じられそうです。

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