明日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名のお知らせ」を掲載しています。新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。
1月は2件の件名を新設しました。そのうち1つが「膳」です。
お料理や食事を指したり、箸を数える時にも使ったりしますが、件名では食事や食器を乗せる「台」や「盤」に対して使用します。
...とここまで書いて、「ああ、あれね」とすぐわかる人ばかりではないのではという疑いがきざしてきました(うちの小中学生の子どもには、説明なしではたぶん通じません)。
料理を運ぶお盆とは違います。
ほら、時代劇の食事シーンとか、昔の宴会とか。座った各人の前に料理をのせた小さい机のようなものがありますよね。大皿から取り分けるのではなくて、めいめいの分の料理を小皿で並べてあります。あの台が膳です。
現在のテーブルと椅子で食事をする環境では出番がありません。
ただ、足のないタイプ(折敷)もあり、そうすると、お店で定食がトレーに載せて提供される場合、そのトレーも「膳」の仲間に入るのかもしれません。
食事という欠かすことができない場面で長きにわたって使われてきた道具。
足の形や塗りの色など、使う人(お客様用だったり使用人向けだったり)や用途(お祝い事か、日常か)に応じてさまざまなものが作られていたそうです。