3/14は週刊新刊全点案内2299号の発行日です。
掲載件数は1209件でした。
*こんな本がありました*
「かわいい土木見つけ旅」
技術評論社(2023.3)
「土木」が「かわいい」...??
どちらかというと「かっこいい」という形容詞の方がしっくりきそうな「土木」が「かわいい」とはどういうことだろう?
と気になって手に取ってみました。
まえがきによると、土木ライターである著者が全国を旅して見つけた「かわいい土木」の数々を紹介する書とあり、具体的には「古くて、小さくて、人びとに愛され、大切にされている土木構造物」たちのこと。著者はそうした土木構造物に出会うと愛おしさを感じ、「ドボかわいい!」と叫びそうになるのだそうです。
なるほど、私たちの生活や社会インフラを支えてくれている土木。物言わぬ縁の下の力持ちとでもいいますか、そのなんとも健気な様を思うと、「かわいい」という感情を抱くのも分かる気がします。
本文を見てみると、橋や水門、トンネル、給水塔、ダムなどが豊富な写真とともに紹介されていて、成り立ちや果たしている役割、アクセス情報まで知ることができます。
例えば横浜にある「象の鼻」。波止場がカーブしているのにはちゃんと理由があるのですね。
象の鼻には何度か訪れたことがありますが、本書を見るまでカーブの意味など考えてみたこともありませんでした。
生活に根付き、景観の一部にもなっている土木構造物たち。そこにあることが当たり前になっていて、普段気に留めることなく通り過ぎてしまっていましたが、ちょっと足を止めて見つめて(愛でて?)みると、いつもの景色が一味違って見えてくるかもしれませんね!