むかしむかしあるところに、一人の演劇部員がいました。
顧問に「戯曲を色々読んでみるといい」と言われた彼女は、近所の図書館の「詩歌・戯曲」と書かれた棚に足を運び、あることに気づきます。
「日本人の作品しかない。」
それもそのはず。彼女が見ていたのは「日本文学」ゾーンの中の「詩歌・戯曲」の棚だったから。この図書館では、海外の戯曲は「英米文学」や「ロシア文学」の方に排架されていたのです。
このように「『戯曲』が読みたいです!日本のものに限らず、海外の作品も!」という時、NDCを使って探すのはちょっと大変です。
というのも、NDCでは9類の文学は、まず「言語」によって区分されるからです。文学形式はその次。戯曲の場合は「2」になります。(※なので先ほどの演劇部員の発言も、正しくは「日本語で書かれた作品しかない」です。)
例えば、日本語で書かれた戯曲なら、
文学(9)、日本文学(1)、戯曲(2)、と分類され、そのあとは「*時代ではなく,文学形式によって細分」という注記に従い、近代戯曲なら912.6となります。
同じように、
中国語で書かれた戯曲なら、922.△(△は時代区分)
韓国語で書かれた戯曲なら、929.12
英語で書かれた戯曲なら、932.△(△は時代区分)
という分類になります。
つまり、
井上ひさし(日本語/近代戯曲)の戯曲は912.6
シェイクスピア(英語/16-17世紀)の戯曲は932.5
イプセン(ノルウェー語)の戯曲は949.62
チェーホフ(ロシア語)の戯曲は982
NDCで探すとしたら所蔵していそうな言語の分類を全て試してみるしかなさそうです。
TRC MARCでは、戯曲や戯曲に関する図書には、執筆言語に関係なく
「文学>戯曲・シナリオ」
「芸術・芸能>演劇・舞踏・ダンス>演劇>戯曲・シナリオ」
というジャンルを付与しています。
例えば出版年月と掛け合わせて「昨年刊行された戯曲や戯曲に関する図書」を一覧することもできます。
言語を限定せずに戯曲を探したいという時(あまり無いかもしれませんが...)ぜひお試しください。