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初めて見た映画はかなり変わってたかも。

5月の雑記テーマは「映画について」。ゴールデンウィークからの連想です。

映画館で映画を見た最初は、ディスニーアニメの「シンデレラ」だったと思う。そして大人向けの本格的な映画を見た最初は、「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」だ。中学3年生の夏休みに母が連れて行ってくれた。流行りの娯楽映画だから私も妹も喜ぶと思ったのだろう。

けど、開始から30分で気味悪すぎて無理...となり、あえなく退場した。ああいうアクション・アドベンチャー大作に不慣れな一家には刺激が強すぎた。映画館の大スクリーンでご馳走として猿の頭、人間がローラーにはさまれて血のりがべったり...とか、気持ち悪くて直視できなかった。

Wikipediaによると、「魔宮の伝説」はインディ・ジョーンズ・シリーズのなかでも暗い作風でグロテスクな描写が多いということである。そこが面白いし娯楽なのだろう。が、私はもともと特撮ものが苦手で、ウルトラマンも仮面ライダーも見られなかった子供で、中3になってもまだ、イマココの自分の足元とスクリーンやテレビのなかの世界が地続きだった。自分は安全なところにいながらグロを楽しむことができなかった。

半端で出てしまったが、たぶん当時の新宿にはたくさん映画館があった。たまたま近くで上映していた「ジーザス・クライスト・スーパースター」を見ることにした(母の決断)。「CATS」「オペラ座の怪人」で有名なアンドリュー・ロイド・ウェバーの初期の代表作だ。ミュージカルでなくロック・オペラと謳っていた。その映画版だった。

これはもちろんイエス・キリストの物語。福音書のとおりにコトがすすみ、ラストではイエスが磔刑となる。ロケ地はエルサレム付近の砂漠や死海、遺跡など。イエスほか登場人物も歴史的な描かれ方である。

...と思いきや、アレ? ローマの兵隊は、ヘルメットにブーツで銃を持っている? ピラトが手を洗っているのはキッチンのガラスボウル。ヘロデ王のパーティではホンキートンクなピアノにサイケデリックな衣装メイクのおねえさんオニイサンが踊っていた。この映画がつくられた1970年ごろのアメリカのスタイルが絶妙に混じっていた。「ジーザス・クライスト・スーパースター!!」と歌い踊るユダと天使たちは、プレスリーみたいな白いジャンプスーツやベルボトムのスタイルだった。

インディ・ジョーンズはダメだったけど、こっちは気に入った。なんとなく知っていたイエス・キリストという神らしきものが、こういう「人」だったのかと腑に落ちた。その伝説が今の今まで続いている生きたものだと感じられた。古代の物語が現代とつながっているという地続き感は心地よい。アナクロニズムな演出も、変だけどかっこいいとおもった。好きな映画の路線はこの一日で決まったのであった。

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