先週に続き年度末にADEACで公開された機関をご紹介します。
今回は3月下旬~月末にかけての新規公開機関を取り上げます。
◇『にかほ市/デジタルミュージアム』(3月24日新規公開)
秋田県にかほ市にある4つ博物館系施設の所蔵資料や、市にゆかりのある各種資料を掲載しています。
にかほ市の魅力を広く知ってもらうために、地元企業と連携して製作された「にかほのキセキ」というにかほ市の歩みや偉人を紹介するページや、子供向けの地域学習ページ、他自治体との連携コンテンツを含めた特集ページなどを数多くそろえています。
その他にも、ドローンによる空撮画像を市内の貴重資料とリンクさせたり、メタバースの世界で資料の展示を行ったりと、新しい試みを含めて非常にたくさんのコンテンツが公開されています。
各館の紹介ページもそろっているので、このデジタルミュージアムからにかほ市の歴史や魅力を知り、現地を訪れるきっかけにしていただきたいです。
◇『高知大学/高知大学デジタルコレクション』(3月25日新規公開)
高知大学学術情報基盤図書館が所蔵する貴重資料、郷土資料の一部をデジタル化し、公開しています。
郷土資料として、土佐藩の法令集である「憲章簿」、地理歴史が記された「南路志」、ジョン万次郎(中濱万次郎)が訳した本邦初の英会話入門書「英米対話捷径」などが公開されています。
また、高知県出身で京都帝国大学初代人文科学研究所長を務めた故小島祐馬博士の中国学研究に関する和漢洋の文献、フランス社会経済思想史等の文献が体系的に集められた蔵書(小島文庫)や、19世紀以前の貴重な洋書など、幅広い資料が掲載されています。
◇『旭川市/旭川のあゆみ』(3月25日新規公開)
旭川の年表や写真・地図などの歴史資料をデジタルデータ化し、だれもがいつでもどこでも歴史に親しめるようインターネットで公開するものです。
現在は直近の『新旭川市史』で編纂された昭和20年までの内容が「年表でふりかえる旭川」「地図で比べる旭川」「書籍で調べる旭川」など様々な形で公開されています。
「書籍で調べる旭川」では国立国会図書館が開発したOCR処理プログラム「NDLOCR ver.2」を利用して、画像から全文テキストデータを検索閲覧できるようになっています。
自治体による公開としては初の試みです。
令和6年度(2024)に事業が再開されるにあたり、より多くの人たちに伝わるデジタルアーカイブのかたちで公開が始まりました。
今後は戦後から現在までの内容が充実していき、幅広い世代が歴史を身近に感じられるコンテンツの整備も進められています。
◇『宮崎県立図書館/デジタル宮崎県史』(3月28日新規公開)
宮崎県の長い歴史や豊かな文化について、数多くの専門家による調査と記録資料をもとにまとめられた『宮崎県史』のうち、学びや研究に適した資料となる巻冊がデジタル・公開されています。
『旭川市/旭川のあゆみ』と同じく、国立国会図書館が開発した「NDLOCR」の仕組みを使って画像内のテキストを検索することができるため、宮崎県に関する調べものにはぜひご利用いただければと思います。
公開されている内容も通史編(原始・古代~近・現代)・資料編(民俗1、民俗2)・別編(民俗、年表)と非常に充実しているので、宮崎県に関する歴史や情報がぎゅっと詰まっています。
◇『都城市/みやこのじょうデジタルアーカイブ』(3月28日新規公開)
宮崎県都城市が所蔵・保管する都城の歴史や文化を示す貴重な資料をデジタル化して公開しています。
主なコレクションとしては、領主であった都城島津家が明治以降に居住した邸宅である都城島津邸(現在は博物館施設として整備)に保管されている史料を、伝来した家ごとに分類し紹介しています。
スペシャルコンテンツとして、都城地域について理解を深めることができる「都城を知る・学ぶ」や、都城島津邸の内観・外観のバーチャルツアーを楽しんだり所蔵資料を閲覧したりできる「都城と都城島津邸」、貴重史料の一部を翻刻して紹介している「貴重資料を翻刻で読む」などの画面も用意されています。
今回の紹介は以上です。次回の更新では3月末~4月初めに公開された新規機関を中心にご紹介します。