6月の雑記のテーマは「図書館の思い出」です。
大昔、大学で司書課程をとっていたこともあり2つの公立図書館でアルバイトをしていました。
最初に覚えるのは返却された図書の配架です。赤川次郎が大人気で、ブックトラック一列分ぐらい返却されるのを、ほとんど貸し出されてスカスカに空いた棚に入れるそばからどんどん抜き取られて行くのでした。他にも当時大人気の作家の棚はフル回転で、場所をすぐ覚えました。「へぇこんな本あるのか」と、未知の図書との出会いの場でもありました。
次に覚えるのは貸出です。電算化されていなかったので、ポケット状になった利用者カードに図書のカードを挟んで預かり、図書に貼った紙に返却期限のスタンプを押します。1人4冊まで借りられたのでそれが最大4セット、4人家族で来ると最大16セットを輪ゴムでひとまとめにして利用者名の五十音順に繰り込んでおくのですが、慌てると輪ゴムがうまくかからずビヨヨーンとばらけてしまいものすごくあせったことが何度もありました。返却はそれを逆にやります。バイトは基本土日だったので家族連れが多かったのです。
キリがついたら納品された目録カードを、カードの穴に通すピンのついた引き出しに、決まった配列に従って入れていきます。最初はピンに刺さずに繰り込んでいき、再度確認してこの場所でOKとなったら1つの引き出しのピンを一度全部抜いて刺しなおします。このピンがなかなかうまく刺せずまたまたあせります。
プロの業界の人からしたら稚拙なお手伝いだったとは思いますが、図書館業務の入り口を覗かせてもらえたのはとても楽しいことでした。配架中はお手洗いの場所をものすごく聞かれること、エアコンの効きが悪いと訴えてくるかたの多いことも、意外な気づきでした。