共通したタイトルの付いた図書について、全集とするのか?シリーズとするのか?どのように判別しているのかをご紹介します。
「全集」とは、
・続きもの
・セットになっているもの
・同じタイトルで継続して刊行されるもの
を表し、「1巻」「2025年版」「ビジネス編」「上巻」など、タイトルに番号(巻数)が付いたものを「全集」と呼んでいます。
一方で「シリーズ」とは、ひとくくりの共通する名前が付いていても1冊ずつ独立していると考えられるものを表しています。
つまり、「○○文庫」や「△△叢書」のように共通する名前が付いていても、終期を定めず1冊ずつ独立している図書をシリーズとし、1冊ずつのタイトルを本タイトルとして扱っています。
例として、「魔女の宅急便」(角野 栄子〔著〕)の書誌情報を見ていきましょう。
この本では、
タイトル 251A1 魔女の宅急便
巻次 251D1 2
巻タイトル 291A1 キキと新しい魔法
シリーズ名 281A1 角川文庫
このような形で採用しています。
「魔女の宅急便」という全集があり、「キキと新しい魔法」は2巻目のタイトルとなります。
さらに「角川文庫」という大きなグループ(シリーズ)に属していることを表しています。
続いて、「高校脱出マニュアル」(旺文社編)の書誌情報を見ていきます。
タイトル 251A1 高校脱出マニュアル
シリーズ名 281A1 飛び出せ高校生!
シリーズ番号 281D1 vol.1
「○○文庫」や「△△叢書」のような表記であればわかりやすいのですが、「飛び出せ高校生!」のような一見全集と思われるタイトルの本もあります。
この場合、全集としてまとめるべきか悩ましいところですが、本には「全何巻」などどこまで刊行されるかの詳細情報がなく、続きものとして継続されるか判断がつかずシリーズとしてまとめたケースで、シリーズ名に「飛び出せ高校生!」を採用し、各巻のタイトルを本タイトルに、「vol.1」はシリーズ番号として採用しました。
このように、図書にどのような配置で表示されているかに加えて、図書館での配架も考慮しながら総合的に判断し、全集にするかシリーズにするかを決定していますが、日々悩むことも多いです。