新時代を開く調理器具
本日は「週刊新刊全点案内」2425号の発行日です。
掲載件数は993件でした。
*こんな本がありました*
「【フク】の研究 ユーラシア草原の祭器・什器」普及版
草原考古研究会(編)
雄山閣(2025.9)
【フク】(図書の字は金ヘンに回復の復のツクリ部分を合わせた字)とは騎馬遊牧民が使用していた煮炊きのための青銅製の調理用具です。
青銅器が使用できるようになる前は、何を調理に使っていたかというと、陶器、土器です。さぞや遊牧民は大変だったでしょう。
大きなものが作れない
→大人数で移動しても一度に調理ができない...。
持ち運びが大変な上に割れやすい。
→馬に乗って運ぶ、落としたら確実に割れる...。
そして、金属より熱伝導率が悪いので調理に時間がかかる。
その割に温度が下がるのに時間がかかるのですぐ運べない。
青銅器は騎馬民族にはうってつけの、エポックメイキングな調理器具だったはず。紹介した本は、考古学の学術書ですが、本を手にとりながら当時の料理の様子に思いを馳せました。
ちなみに【フク】の「括弧+漢字のヨミ」は入力できない文字(JIS外字)を表しています。くわしくはこちら。