先月から、月末にお送りすることになりました「MARCや検索のはなし」。
2回目は、以前いちどとりあげました本の大きさの記録方法について、今回は実例を添えてもう少し詳しく解説いたします。
本の大きさは、外形の高さをセンチメートルの単位で、端数を切り上げて記録します。
(「日本目録規則」新版予備版では「表紙の高さ」でした)
縦長本および横長本の場合は、横の長さも測り、タテ×横 の形で記録します。
本のサイズは出版業界でも「四六判」「B5判」といった呼び方をすることが多く、「○センチの本」というのは図書館の世界だけかもしれません。
よく見かけるハードカバーの文芸書は 20cm が主流でしょうか。
★横長本て、どこから横長?
タテ横が同じ長さのものから「横長本」の扱いとなります。
絵本などで見かける形です。
これは 15×19cm となりました。
★横長じゃなければ縦長にきまってる?
「縦長本」とは、タテの長さが横の2倍以上あるものをさしています。
これは 22×11cm 。
Yoshihiko Sano
Yoji Yamaguchi
CHINTAI(2008.10)
★変型本
ではこんな本の場合は、どこを測るでしょう?
「外形の高さ」ですから、ペネロペの耳の先から表紙の下まで、いちばん長いところを測ります。
書架に収めるのに必要な高さということですね。
どっちがタテでどっちが横なの?と迷うものは、棚に入れる向きなどをイメージして判断します。
こうした変型本、とくに子どもの本にはいろいろなものがあって楽しいですが、図書館資料としてはブックコートがかけられない、ラベルが貼りにくい等、ちょっと問題がありそうです。TRC MARC/Tタイプでは「装丁コード」のタグに「変型本」を入れておりますので、ここで見分けることができます。TOOLiでは装丁コードを使った検索もできます。
★1ミリの攻防
ところで「端数を切り上げて記録」。
実際の作業では、1ミリ以上あれば切り上げ、としています。
21.1cmに足りなければ、21cm。21.1cm以上なら、22cm となります。
目録チェックをしている中で、たまに「これは21cmでいいのでは?」「私が測ったときは1ミリあったように思いましたけど?」不穏な空気が流れることが…そんなときは「まあまあ、同じ本だって裁断のしかたで少しずつ差が生じるだろうし、本屋さんに積んである本を全部測ったら、ちょっとずつ違うかもしれないよ」となだめます。…なーんて、これは作り話です。そんなコトでケンカするわけないですよ、ねえ。