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バリエーション

著者の典拠ファイルを作成している中で、
西洋人名のバリエーションに目をつけてみると、
案外おもしろい発見があります。

Bob(Robert)
Dobbin(Robert)
Bill(William)
Beth(Elizabeth)
Liz(Elizabeth)

これは愛称と正式名。
日本人の愛称というと、姓や名の先頭から「ノムさん(野村克也)」
「しょこたん(中川翔子)」などわかりやすい気がしますが、
西洋人の愛称は、このように欧文形だけを比較すると
違和感を感じるものもありますね。どうやら発音からきているらしい。
そこで西洋人典拠では、つぎのように英和辞典を調べて
確認することもあります。

ダニー・シュガーマン(Danny Sugerman)と図書にあったとしましょう。

まず、累積された典拠ファイルにないかどうか調査
「Sugerman,Daniel」があったら、
まずこの人と同一人かどうか調べます。

DanielとDannyは関係があったか?
ということで英和辞典を調べると
Daniel:男性名【愛称】Dan,Danny
とありました。

従って図書のダニー(Danny)はDanielの愛称と考えられ、
「Sugerman,Daniel」にリンクするMARCと
今回の図書のジャンルや著者紹介の著作が一致すれば
新しい記述形を作成することに。

このように一般的な愛称は英和辞典に出ています。
実は私、この仕事に就くまで、名前を英和辞典で調ベたことが
なかったので、結構でていることに驚きました。

また、一般的な名前ですが、国によって呼び名が変化する名前
          男性名               女性名
英語   Michael(マイケル)  Catherine(キャサリン)
仏語   Michel(ミシェル)   Catherine(カトリーヌ)
独語   Michael(ミヒャエル) Katherine(カテリーネ)
伊語   Michele(ミケーレ)  Caterina(カテリーナ)
西語   Miguel(ミゲル)    Catarina(カタリーナ)
露語   Mikhail(ミハイール) Ekaterina(エカテリーナ)
                
参考資料:「英語教育Vol.54 No.9(大修館書店)」

いかがですか?こう考えてみると、面白くなってきませんか?
世界で活躍している映画俳優の中には、別名として国別に名前を変えている人も…。

登場人物のMargaret(マーガレット)やElizabeth(エリザベス)など
よくある名前も作品の舞台によっては、さまざまに変化しているので、
考えてみるのも面白いかもしれません。
伊和辞典など英語以外の辞書には愛称だけでなく、
各国バリエーションを紹介しているものもありますのでご参考まで。
            
因みに広辞苑では、姓の一つとして、斎藤や佐藤を見出しとし、
物故者15名程の著名人が紹介されています。
広辞というだけに人名事典・地名事典など広範囲に使えることは
凡例にありました。
かつて一家に一冊(「家庭の医学」と一緒?)と言われるゆえんでしたね。

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