こんにちは。
今日は人名典拠ファイルについてのお話です。
近頃、わたしのまわりはベビーブームのようで、
ここしばらくは毎月のように、友人たちから、
「産まれました ♪ 」という報告メールが届きます。
そんな時、気になるのが赤ちゃんの名前です。
これから一生使っていくことになる名前。
名前を決めるってすごく大変だろうなと思います。
(だから、こういう本もあるわけです↓)
けれど、産まれてから亡くなるまで同じ名前を使うようになったのは、
明治以降のこと。つまり、ここ100年ちょっとの話です。
では、それ以前はどうしていたかというと..
人名典拠ファイルを作成していてよく目にするのが、
幼名
諱(いみな)
通称
字
別号
筆名
などの名前の種類を表す言葉です。
子どもの頃は幼名を名乗って、元服すると諱をもらい、
普段は通称や字で呼ばれて、自分の作品には号を記す
江戸時代以前の人は、こんな風に、
名前を変えたり使い分けたりしていたようです。
昔は、実名で呼ぶことを避けるという習俗があったために、
複数の名前を持つ人が多かったといわれています。
TRCの人名典拠ファイルでは、
図書や参考資料に出てきた号や通称で参照形を作成し、
どの名前からでも検索できるようにしています。
例えばこの人 ↓ (マイナーですが江戸時代の国学者です)
高林/方朗 タカバヤシ,ミチアキラ
← 勝三郎 <幼名>
← 舎人 <通称>
← 伊兵衛 <通称>
← 臣下庵 <号>
このように参照形を作っておけば、幼名、通称、号でも検索が可能になります。
それにしても、人生の各ステージで改名して一旦リセットって..
なんか楽しそうです。
参考資料:「大百科事典」(1985年平凡社刊)