月末にお届けしている「MARCや検索のはなし」、今月はクイズから始めます。
一見まったく関係のない本のようなこの2冊の本、実は共通点があります。
おわかりになりますか?
『ダイヤモンドを探せ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン 2003.10刊)
『とびっきりのお金の話をこれからしましょう。』(イースト・プレス 2006.12刊)
答えは、どちらも『Acres of diamonds』という英語で書かれた本の翻訳ものなのです。
このように、訳者や出版社の違いによって、タイトルがまったく変わってしまうのが翻訳書の悩ましいところ。文学作品の古典のように定番の日本語タイトルがあればともかく、実用書の分野では「翻訳は出てないのか…」と早々に諦めてしまったり、反対に購入した後で「あれ、どっかで読んだことあるような話だな…?」と本棚でダブってしまったりといった悲しい経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。図書館で探すにしても、上記の例くらい違うとちょっと大変です。
そんな時に便利なのが、MARCの中の「原タイトル」という項目です。
元ネタのほうで探せば、翻訳時にどんな変身を遂げていようとも、全てもれなく見つけられるというもの。「翻訳されてるのは知ってるけど、どんなタイトルなのかわからない…」というようなケースでも使えます。
上記の2冊のMARCにもこのとおり。ちゃんと入っています。
原タイトル:Acres of diamonds
様々な日本語への変身ぶりをこうして比べてみると、訳者の言葉の好みや時代の雰囲気のようなものも見えてきて、なかなか興味深いものですね。
翻訳ものにまつわる「え、それって同じもの!?」という驚きでは、園児だった頃の私のヒーロー「もじゃもじゃペーター」(お風呂ギライだったのだけれど、彼ほど断固として徹底的に汚れを引き受ける勇気はないヘタレだった…)が、大人になって久々に再会したら「ぼうぼうあたま」という名前だったときの衝撃が、個人的には忘れがたい。。。