以前に同潤会大塚女子アパートの跡地と関連図書をご紹介しましたが、
また関連本が出ていました。
アパートメントに暮らした女性たちの人生を浮かび上がらせた、人間模様に焦点をあてた内容になっています。
大塚女子アパートメントは、地下鉄茗荷谷駅から会社に向かう途中にありました。
歩道に面した1階にはいろいろな店舗が入っていましたが、先輩データ部員たちとのおしゃべりの中で「あったよねえ…」と話し合っていたのが、パン屋さんの「フレンパン」や立ち喰いそば屋さん(「梅もと」といったような)。
確か模型屋もあった、との情報も。
フレンパンでサンドイッチを買うと、おまけのお菓子を袋に入れてくれるときもあり、いつもレジの内側でおおらかに構えておられたおじいさん、おばあさんを思い出します。
おそばやさんは、春菊天そばやカレーが美味しくて、テイクアウトにして昼食時によく食べていました。
カレーはひき肉を使って、もったりとしたルーの、正におそば屋さんのカレー。
ゆで卵か生卵をつけてくれました。
今は思い出の中で、もう食べられないのが残念です。
もっと時代はさかのぼり、様々な本に取り上げられている、草創期の大塚女子アパートメントは、前の通りを路面電車が走り、職業婦人が闊歩するモダンな建物であったようです。
もう取り壊されて久しく、当時の写真でしか面影をしのぶことはできませんが、取り壊しが惜しまれ、一度中を見てみたかった建物のひとつです。
コメント (4)
1962年に居住者の戸川昌子がこのアパートをモデルにした小説「大いなる幻影」を書き、江戸川乱歩賞を受賞しています。
事件の発端となるのは大塚仲町の交差点での交通事故。
会社のすぐ傍ですね。
投稿者: 蔵書データ事業部:塚原 | 2010年10月 5日 12:43
日時: 2010年10月 5日 12:43
塚原さん、コメントありがとうございます。
「大いなる幻影」残念ながら未読ですが、とても気になっていました。
戸川昌子はこのアパートメントが道路拡張のための曳き家(建物を壊さずに建てたまま移動させること)になるのも見届けているそうで、人力で建物が動いて行く様子にインスピレーションをかきたてられたようです。
投稿者: 雑誌 半澤 | 2010年10月 6日 09:21
日時: 2010年10月 6日 09:21
「フレンパン」の大林さん、お世話になりました。
日本の「三角サンドイッチ」発祥のお店ですね。
「フレン」=「婦連」とは、みなさんわかりませんね。
「梅もと」は、綱さんが創業したお店ですね。
今では大きな会社になりました。
http://www.umemoto21.co.jp/
綱さんの息子さんは、この近くの元気のよい大学に通ってられました。
「うな若」さんも移転して、廃業して…。
茗荷谷の「うなぎや」さん、どこかないかなぁ~。
投稿者: 茗荷谷流離 | 2012年9月 9日 09:12
日時: 2012年9月 9日 09:12
茗荷谷流離さん、情報ありがとうございます。
茗荷谷駅近辺も入れ替わりがあり、お馴染の店舗が無くなってしまうのは寂しいですね。
今夏は高くてなかなか手が出ませんでしたが、「うなぎ」そろそろ食べたくなりました。
投稿者: 雑誌 半澤 | 2012年9月10日 12:48
日時: 2012年9月10日 12:48