こんにちは、新刊目録・中尾です。
日販王子流通センター見学記、第2回目の本日は送品の品質管理についてお送りします。
広大なストックヤード、次々と書店別に仕分けられていく本・本・本、そしてベルトコンベアで後から後から流れてくる箱。
昨日の記事で1日に50万冊もの注文品を書店別に仕分ける機械について触れられていましたが、王子流通センターから出荷されるのはこの機械で処理した分だけではありません。
新刊の初回分や、文庫・新書などもあわせて1日に王子流通センターから出荷される箱は約5万個にもなるとか。
このものすごい数の箱、出荷の際の検品はどのようにしているのでしょうか。
実は重量で検品しているのだそうです。
王子流通センターで取り扱う商品はすべてデータ化されており、ISBNのほかに重さ、縦横高さの大きさ等の情報もデータベースにもっています。
それらの情報に基づき、重量と容積を計算して、それぞれの箱に詰める商品と冊数が指示されています。
標準の17kgサイズのダンボール箱の場合、入っているべき本の総重量と実際の箱重量の差がプラスマイナス70g以上あると箱詰め後の検品でエラーになります。
ちなみに250pほどのそれほど厚くない文庫本で1冊150g程度ですので、文庫本1冊足りなくても検品でわかるようになっているわけですね。
プラスマイナス70gの余裕をもたせているのは、やはり製本のときに若干は発生する個体差や、紙製品なので雨の日はどうしても重くなるといったことを考えてのようです。
<重量検品機・通り過ぎる間に重量検品完了です>
重量での検品は在庫のピッキングの段階でも行われており、ピッキングミスの防止にも役立てられているそうです。
取り扱う商品すべてをデータ化していることと、この重量検品システムの導入で日販王子流通センターの送品事故は100万冊に1冊台とのこと。
膨大な数量を扱う中で、迅速かつ正確に検品をおこなうための重量検品、なるほど、と思いました。
さて、2回にわたった日販王子流通センター見学記いかがだったでしょうか。
日頃本の読者の皆様の目に入ることは少ないですが、書店を通してスピーディに欲しい本をお届けするために、このような工夫されたシステムが稼働しています。
興味をもたれた方は是非日販のサイトのこちらのページもご覧ください。仕分け機の動画も掲載されています。