暦のうえでは立春も過ぎましたが、全国的に厳しい寒さが続いていますね。こんな寒い冬に思い浮かべる料理といえば、なんと言っても鍋物。鍋物だけを取り上げた料理の本も多く刊行されていることから、昨年末、検討の結果、NDLSH(国立国会図書館件名標目表)から「鍋料理」という件名を採用しました(「鍋物」は参照語にしました)。単に鍋を使った料理ということではなく、鍋のまま食卓に供して、食卓で煮ながら食べる料理に付与します。と書いているうちに、いろいろな鍋料理が頭に浮かんできました。
さて、この「鍋料理」に限らず、ここ数年、いろいろな料理関係の件名を採用するようになってきました。2004年以降で見てみますと、「カレー」「ラーメン(麺類)」「キムチ」「スープ」「汁物」(和食の汁料理)「刺身」「駅弁」「ハンバーガー」「おせち料理」などを新たに採用しました。
「カレー」「スープ」「ラーメン(麺類)」などは、よくそれだけで一冊の料理本になったりしています。
また、「カレー」「スープ」などは、様式や材料で細分されているNDC(日本十進分類法)の596では、それ以上分類を展開できないことが多いので、件名による検索が威力を発揮すると思います(NDC新訂9版をご覧ください。596.2以下は「様式別による料理法.献立」で日本料理などに細分。596.3以下は「材料別による料理法」で肉料理などに細分)。日本でのカレーは、もはやインド料理とはいいがたいことが多いですし、材料別というわけにもいきません。
ちなみにスープカレーを扱った本には、件名で「カレー」と「スープ」を付与しています(分類は596)。
まだしばらく寒い日々が続くようですが、くつくつ煮えた鍋の具をはふはふほおばり、身も心も温まって、風邪などひかずに乗り切っていきたいものです。