図書記号を著者の姓から一文字としている場合、実際に配架作業をしていて、おや?と思われることはありませんか?
例えば、昨年発行された『過ぎ去りし世界』の図書記号を見てみると---
タイトル(漢字) : 過ぎ去りし世界
タイトル(カナ) : スギサリシ/セカイ
責任表示 : デニス・ルヘイン 著
図書記号 : レ
著者の姓のカナ形の一文字目なら図書記号は「ル」では?
実際にこの図書を手にされていると不可解に見えるかもしれません。
しかし、著者の典拠ファイルの統一形を見てみると---
漢字形 : Lehane,Dennis
カナ形 : レヘイン,デニス
統一形のカナ形より図書記号は採用されているため、『過ぎ去りし世界』の図書記号は「レ」となります。統一形から図書記号を決定することにより、図書に「レヘイン」と表記されていても「ルヘイン」でも、同じ場所に配架することが可能となります。
Lehaneは「レヘイン」とも「ルヘイン」とも翻訳されるのですね。カタカナでみると別人のようにみえますが、同一人ですので同じ典拠IDのもとにまとめています。
12000197021-0000 Lehane,Dennis(レヘイン,デニス) = 統一形
12000197021-0001 デニス・レヘイン
12000197021-0002 デニス・ルヘイン
典拠ファイルの見出しとなる統一形は、初めての著作、もしくは参考資料より決定します。決定した後は、基本的に統一形の変更(典拠訂正)をすることはありません。図書記号や配架、典拠コントロール等に影響してしまうためです。
しかし、時の流れとともに統一形のカナとは違うカナ表記が主流となってしまう場合があり、統一形はこれで適切なのか?と悩ましくなることもしばしば...です。