中国地方にて営業担当をしておりますEです。
9月の営業O同様、2年前までデータ部に所属していた縁で、今回のデータ部ログにお邪魔しております。
営業として担当県内津々浦々の図書館を訪問しております。
お世話になっている皆様、いつもありがとうございます。
図書館にお邪魔しますと、事務室でふせんいっぱいの「週刊新刊全点案内」をお見かけすることがあり、元データ部員として大変有難く、また嬉しく感じます。
データ部では、取次会社や出版社から新刊本の見本をお預かりし、日々マークを作成しております。
営業になってからは、時たま週刊新刊全点案内を覗いておりますが、「世の中には色々な本が出版されているのだなあ」と、いまだに驚きの連続です。
私は幼い頃、「島」に住んでおり、図書館の無い町でことばと文字を覚えました。
驚くべきことに当時町内に書店があったのですが、島の小さな町の小さな書店に、ひらがなの絵本が置いてあるわけもなく。
本好きの親が通信販売で絵本を購入してくれていたお蔭で、読書というものを知りました。
島を出て、陸続きの地域(という言い方もおかしいですが)で暮らし始めてから、初めて行った「図書館」の衝撃は忘れられません。
「読み切れないくらい本がある!」「"おはなしかい"ってなに!」「CDもビデオも置いてある!(レンタルショップという概念を知らない...)」という完全に田舎者丸出し、凄まじいカルチャーショックでした。
(ちなみに転居先もそれなりに田舎だったので丸善・丸の内本店に行ったときは「図書館みたいな書店」という印象を持ちました)
あの衝撃から月日は過ぎましたが、中国地方の山間部などにお邪魔しておりますと、「過疎地域で本を手にすること」について考えさせられます。
インターネットの普及で様々な情報を得ることができるようになりましたが、地方で本(特に児童書)を手にすることは、非常に難しくなっています。
島嶼部の過疎化を追いかけるように山間部でも同様の現象が起こっているように感じます。
「書棚の間をなんとなく歩く」は図書館でしか味わえない贅沢となりつつあり、図書館員の皆様の、苦心の積み重ねによって、継続して実現されています。
図書館の無い町で育った私には、奇跡的なことのようにすら思え、頭が下がる思いです。
先週、全国図書館大会で「出版」と「図書館」の関係性がクローズアップされて話題となりました。
「世の中には色々な本が出版されているのだなあ」を実感できる場所が、全国どんな地域にも、ずっと残っていてほしい、と思います。