こんにちは、典拠の望月です。
昨年典拠班に異動して典拠ファイル(人名と団体名)の作成に携わるようになったのですが、それ以来毎日「仮ファイルリスト」というものを作っています。
なにが「仮」なのかというと、典拠ファイルを仮に作ったうえで、改めてそれが適切かどうか、入力ミス等ケアレスミスがないか確認するためのリストということで、完成一歩手前の「仮」段階ということなのです。
このように、典拠ファイルの作成はいくつかの段階を経て行われます。今回は典拠ファイルの作成手順についてご説明したいと思います。
初めて執筆を行った人の本が刊行されたとします。
初めてなので、典拠ファイルがありません。そこで、「ファイルが必要です」と典拠班に連絡が来るところからスタート。
ここからは、ファイル作成担当者の作業です。
まずは図書をじっくりとみて、著者の表記にワレがないか、ヨミがあるかどうかを確認します。同時に著者紹介もざっくりと把握。それから、本当にまだファイルがない人かどうかを確認。そのためにはよく検索を行わなければなりません。漢字の形ではヒットしなかったけれど、じつはひらがな、アルファベットの形でファイルがあったりするかもしれません。同姓同名の別の人かと思いきや、よく見たら似たようなジャンルの本を出しているなんてこともあります。
そこから
漢字形 カタカナ形
専門分野、職業、肩書、生没年
など、ファイルの統一形を決め、ほかの人と区別がしっかりできるような情報をまとめて典拠ファイルの形に整えます。
ファイルを整えたら、チェック担当者にバトンタッチ。必ず別の人の目で確認してもらいます。
統一形は本当にこの形でよいか、過不足なく情報が整えられているか、入力ミスはないか、図書の情報と付き合わせながらチェックします。いつも眼を皿のようにしてやっています。
OKが出たらファイルは仮に完成した状態へ。そして翌日仮ファイルリストとして出力されます。
仮ファイルリストは、主な担当者が見た後、チェック者全員で回覧します。疑問点があると、すかさず付箋がつけられます。
担当者は付箋がクリアされるよう見直し作業を行います。ときには全員で話し合って決めることも。
全ての見直しが終了したら、典拠ファイルは完成となります。
※統一形の決め方、などをより詳しく知りたいときは、
企画記事の「人名典拠」「MARC MANIAX 典拠」
カテゴリーの「典拠ファイル」
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