離れてたって...つながっているんだ ~典拠のはなし~
今度ご結婚する私の知人、Aさん(「あ」で始まるお名前)...だったのですが。入籍後は、お相手の姓であるWさん(「わ」で始まるお名前)になるそうです。
お話を聞いた時「出席番号が!一番からラストに!」なんて言って盛り上がりました。
私の出身高校だと窓際の一番前の席から廊下側の一番後ろにいく感じ。
紙の電話帳だったら最初のページから最後のページに。
改姓、なかなか影響が大きい。
典拠ファイルではどうでしょうか?
TRC MARCが現在準拠している「日本目録規則 1987年版改訂3版」第23章 著者標目にこうあります。
23.2.1.2(2以上の名称を用いる著者)同一著者が2以上の名称を用いるとき,次の場合にはそれぞれの名称を標目とする。
ア)改姓改名した著者が,新旧の姓名で著作をしているとき
(以下略)
著者が改名をした場合はそれぞれの名称を標目とするのですね。ご結婚などによって姓が変わった場合もこちらに該当します。
すでに典拠ファイルのある方が、今までとは異なる姓で著作を発表した場合。典拠ファイルは今回出現の形で新たに作成し、旧姓のファイルとは相互参照にします。
荒井/由実 アライ,ユミ
= 松任谷/由実 マツトウヤ,ユミ
アライさんとマツトウヤさんのように、姓の一文字目が変わると、図書記号も変わる可能性があります。著者名順で並べていたら、「ア」のところと「マ」のところ、ちょっと離れた場所に配架されてしまいますね。
しかし、典拠ファイルを活用し、相互参照であるとわかれば、同一人物の著作を漏れなく見つけることができます。書架でどんなに離れていたって。
以上、今月はジューンブライドにちなんで、改姓について考えてみました。
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典拠 相互参照(ダイジェスト第25回)