こんにちは。今回はいつもと少し趣旨を変えて、私が兼務している国際事業部が仕事で携わっているミャンマーの図書館を紹介します。
ミャンマーには国立図書館が2つあります。
首都ネピドーにひとつと、旧首都ヤンゴンにひとつです。
(ミャンマーの首都は2006年にヤンゴンからネピドーに移転しました)
ネピドーは首都にするために新しく平野の真ん中に作られた都市のため、とにかく道も広く建物も大きいです。(片道10車線の道もあるそうです!)
そんなネピドーにある国立図書館も当然かなりの大きさ。
初めて行ったときは天井の高さに驚きました。
(写真はエントランス右側のフリースペース)
ネピドーは政府機関が集まっているとはいえ商業都市ではないため、人口が多くありません。そのため図書館の利用者も一日平均20~30人とかなり少め。訪問した際は利用者はおらず、省エネのため閲覧室の電灯は消されていました。
目録カードが最近まで現役だったため、目録カードを入れる引き出しが館内の様々なところにあります。
ミャンマーの多くの公共図書館では今でも目録カードが現役です。都心の大きな公共図書館は電算化がされていますが、目録カードも並行して使用している図書館がほとんどです。
ミャンマーのMARCは英米目録規則に則り、MARC21フォーマットで作成されています。
続いてヤンゴンの国立図書館。
こちらは軍事政権中に建物を明け渡してしまったため、長い間ヤンゴン郊外にありました。2016年にヤンゴンの中心街に移転が決まり、英国統治時代の建物をリノベーションして使うことになりました。
TRCはヤンゴン国立図書館の前館長さんと親交があったこともあり、この新しい国立図書館の一室を無償で貸し出していただけることになりました。
日本とミャンマーの文化の交差点となるようなギャラリーにしたいという思いから、Intersection60と名付け、オープンの準備を進めてきました。(60は部屋の大きさが60㎡であることに由来しています)
オープン予定日は2020年4月4日。ヤンゴン国立図書館のオープンイベントに合わせてアウンサンスーチーさんも訪れる予定でした。
しかし新型コロナウイルス感染症拡大のためオープンは延期、私たちも渡航ができなくなりました。
Intersection60の内装は完成していましたが、中のコンテンツは日本から持ち込む予定だったため、渡航できないとなるとオープンもできません。
そこで、ミャンマーの方々にオンラインでなにか提供できないかと始めたのがVirtual Intersection60です。プラットフォームはミャンマーの方々が一番よく利用するfacebookを選びました。
4月にスタートし、毎日「かお」を作るプロジェクトや日本の文化紹介など、様々なコンテンツを配信しています。
今月に入ってからは、出版社さんより特別に許諾をいただいて絵本のミャンマー語読み聞かせ動画を配信したり、オリジナルのデジタル紙芝居を作成したりと、コンテンツも充実してきました。
「かお」つくりのhomemade face projectはyoutubeにも載せています。
作品も募集していますので、ご興味持ってくださった方はぜひご参加ください。詳しくは動画の概要欄を御覧ください。
日本と比べると、ミャンマーにはまだあまり日常的に図書館を使うという習慣がありません。
国際事業部は今後も、ミャンマーで一人でも多くの方が図書館の魅力に気づいていただけるよう様々な取り組みを行っていく予定です。