みなさま、こんにちは。典拠班の木内です。
来週、個人名典拠特別訂正を実施いたします。
個人名典拠特別訂正は、個人名典拠ファイルの読み(カタカナ形)を訂正するものです。誤植ではなく、初期の著書に表示された読み方と近年刊行される著書に表示される読み方に違いがあり、途中で読み方に変更があったと判断できたものが対象。その中で、図書館での所蔵が多く見込まれる、タイトルや図書記号の変更が含まれるなど、図書館への影響が大きい典拠ファイルで実施しています。
この訂正により、MARC上の人名(著者名、件名等)の読みと図書に表示されている読みが一致するようになり、違和感なくより便利にご利用いただけます。
今回訂正する典拠ファイルは下記の3件。
・大島史洋(オオシマ,フミヒロ → オオシマ,シヨウ)
・小野一光 (オノ,カズミツ → オノ,イッコウ)
・佐々木喜善 (ササキ,キヨシ → ササキ,キゼン)
※更新データは4/17(土)提供分に収録されます
この訂正に関するご案内は、
・「週刊新刊全点案内」2203号(3/30発行)同封物
・TOOLiお知らせページ
こちらで詳しくお知らせしておりますので、ぜひご覧ください。
これまで実施した個人名典拠特別訂正については、TOOLiお知らせの「これまでの個人名典拠特別訂正[訂正用データ]」に掲載されています。
<過去の実施例>
・佐藤雅美(サトウ,マサミ → サトウ,マサヨシ)
・深谷忠記(フカヤ,タダノリ → フカヤ,タダキ)
・二宮清純(ニノミヤ,キヨスミ → ニノミヤ,セイジュン)
・下村博文(シモムラ,ヒロフミ → シモムラ,ハクブン) ほか
データ部典拠班では、図書に表示されている読みと典拠ファイル統一形で相違があるものについて継続的に調査を行っていますが、その中で多い傾向にあるものは、清濁の違い。そして、音訓の違いです。
清濁の違いはわたしたちの日常生活でも多く見られますが、誤植か変更か、はたまたどちらも使用しているのかを判断するのはとても難しいことが多いです。
音訓の違いは執筆活動の途中で変更する例が多くみられます。はじめは通称であった音読みが、その後活動名として定着していくようです。今回の3件すべても名を訓読みから音読みへの変更でした。
読み方は図書でどのように表示されているか?参考資料ではどの読み方で掲載されているか?訂正したとしても元の読み方で出現する可能性はないか?など、総合的に判断して訂正を決定します。
ただし、坪内稔典のように「トシノリ」と「ネンテン」を併用しているケースもありますので、訂正するか否かは注意深い検討が必要です。
前回の実施は2019年5月、読みの訂正ではなく新天皇即位に伴う訂正でした。ちょうど平成から令和へ年号が変わったとき。今回は約2年ぶりの実施ですので、時の流れを感じます。
この1年はコロナ禍により図書館での調査がままならず歯がゆい思いもありましたが、地道に調査を進め実施の運びとなりました。今後もより便利にTRC MARC、典拠ファイルをご利用いただけるよう、データの維持管理に努めていきたいと思います。