典拠望月です。
本日の典拠のはなしは、参照形についてご紹介します。
(補足ですが、参照形は「日本目録規則2018」では「異形名称」に該当します)
今まで、こちらの記事などで説明してきましたが、今回は西洋人の参照形について紹介したいと思います。
【基本の説明】
参照形とは...
統一標目として採用しなかった名称(漢字形・カタカナ形)によるガイド機能のこと。
西洋人では図書や参考資料から判明したアルファベットでの表記を参照形として作成することが多いです。
■パターン1 綴りの詳細度
統一形 Taylor,P.A.
←参照形 Taylor,Phoebe Atwood 出典 米国議会図書館
※イニシャルで止めた表記とフル展開した表記
統一形 Seaton,Philip
←参照形 Seaton,Philip A. 出典 米国議会図書館
※ミドルネームのない表記とある表記
■パターン2 本名と愛称で異なる綴りのもの
統一形 Allaby,Michael
←参照形 Allaby,Mike 出典 図書
※:MikeはMichaelの愛称
■パターン3 称号を含む形
統一形 Victoria(イギリス女王)
←参照形 Victoria,Queen of Great Britain 出典 米国議会図書館
■パターン4 続柄を表す語を含む形
統一形 Evans,F.Barton
←参照形 Evans,F.Barton,Ⅲ 出典 米国議会図書館
※このパターンは、最近作成の範囲を広げて作るようになったもの。現在実例は少ないですが、今後増えていく予定です。
このように参照形を作成することで、統一標目にない語や綴りから検索してもヒットさせることが可能になります。