MARC MANIAX 目録の5回目は、私たちもしばしば悩む「分かち書き」について、かいつまんでご紹介します。
★分かち書き
「スモモ/モ/モモ/モ/モモ/ノ/ウチ」のように、用語・要語ごとに区切る表記法を分かち書きと言います。一般に各語の区切りは空白が多いようですが、TRCでは「/」(スラッシュ)を入力しています。
分かち書きにする理由は、第一に見やすいこと。また、分かち検索ができるシステムならば(TOOLiでは分かち検索のセレクトボックスを用意しています)、漢字・カナの部分一致ではうまく検索できない単語を、きれいに拾うことができます。例えば「ブタ(豚・ぶた)」。分かち検索で「ブタ」と入力すれば、「ブタイ」「アソブ/タノシム」など様々なノイズの中から「ブタ(豚・ぶた)」だけを拾うことができます。
TRCの分かち書き基準は、TOOLiのお知らせページ「TRC MARCマニュアル」内にまとめています。
基本的な考え方としては「名詞は他の品詞から分離する」「動詞・形容詞は語尾や後続する助動詞・助詞を含めて一語とする」などがあります。
データ部ではこの基準に従いつつ、更に用例を決めて管理に努めていますが、それでも全ての言葉をルールに則って分離していくのは難しいものです。
実際にチャレンジしようという場合には、分かちで検索する言葉は限られますので、名詞・固有名詞などを確実に分離することを念頭に、あまり迷いすぎずに作業するのがよいのではと思います。
いくつか例を見てみましょう。「人名に付く接頭語・接尾語は原則として分離する」というルールがあります。「ゴッホ展」は「ゴッホ/テン」、「松山英樹さん」は「マツヤマ/ヒデキ/サン」。姓と名は分離します。
ですが、「ノーベル賞」「ヨブ記」のように人名から派生して別の意味を持つようになった言葉や、「浜ちゃん」のようにひとまとまりで愛称になっている言葉は分離しません。
他には、「動植物名や地名は1語とする」というルールもあります。「りゅうぐうのつかい」は「リュウグウ/ノ/ツカイ」ではなく「リュウグウノツカイ」、「サウスカロライナ州」は「サウス/カロライナシュウ」ではなく「サウスカロライナシュウ」となります。
多少は参考になりましたでしょうか。
さて、以上5回にわたってTRC MARCの目録についての基本的な知識をまとめてきました。
とはいえ、ここまではまだまだ序の口。責任表示やTRC MARCならではの項目など、取り上げたいことはたくさんあります。
それらについては少し間をおいて、改めてご紹介したいと思いますので、お楽しみに!