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希少言語の魅力~新設件名のお知らせ2023年2月分~

明日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名のお知らせ」を掲載しています。
新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。

2023年2月は4件の件名を新設しました。そのひとつに「ムラブリ語」があります。


ムラブリ語...モン・クメール語族のクム語派に属する言語。そんな辞典の説明を読んでも全くピンと来ない私でしたが、もう少し調べてみると、タイとラオスの山の中に住む「ムラブリ」と呼ばれる人々が話す言葉、とのことでした。ムラブリ語を話している人々、その数およそ500人。21世紀中に消えるのではないかと言われている希少言語のひとつだそうです。


「ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと」

伊藤雄馬(著)
集英社インターナショナル(2023.2)


今回「ムラブリ語」の件名を作成することになったこの本の著者、伊藤雄馬氏はムラブリ語に青春をささげた言語学者。文字を持たないムラブリ語の研究は、発音記号のような音声記号を使って言葉を記録していく、という自分で辞書を作っていくような作業だったそうです。この世に辞書がない言語の意味を現地に入り込んでひも解いていく...なんて大変で、なんてロマンに溢れる作業!俄然、興味がわいてきました。

伊藤雄馬氏、大学に所属することを辞めた「独立研究者」。クラウドファンディングで研究の資金集めをされていました。そのリターンがとても魅力的。「現地の調査動画の先行公開」、そして、「ムラブリ語のオンライン勉強会」など。気になる!!自分が現地に行って希少言語をイチから解明していくことはとても無理だけれど、研究者のその努力の結果をいつか勉強させてもらいたい、と思ったのでした。

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