「個人名典拠ファイル入門」の第3回です。今回から個人名典拠ファイルの役割について解説していきます。
まずは復習から。
・本を書いた人(=著者)
・その本のテーマとなっている人(=被伝者)
そういった人を対象とする、人名を見出しとしたファイル(=個人名典拠ファイル)があります。
このファイルにその人が書いた本1冊1冊が結びつけられています。
このファイルは、ID+名前+ヨミをセットにして見出しとしています。
ここで標題に戻ります。
名前の漢字形とカタカナ形(ヨミ)が完全に一致する人、つまり同姓同名の人が出てきた場合、個人名典拠ファイル上ではどうしているのでしょうか。
作業としては、まずこの同姓同名の人が本当に別人なのか、同一人ではないのか、ということを確認。著書のジャンルや専門分野、職業、活動している時期や地域などなど、情報を見比べて判断します。
そして別人でOKと確認できたら、個人名典拠ファイルを新たに作成します。
その際、最初の人のIDとは異なるIDを付与することで、同姓同名を区別しています。
識別に役立つように活動分野や職業、生没年などの情報も見出しに一緒に記録します。
同姓同名の3人の山田太郎さんがいるとすると、イメージはこんな感じ。(※実例ではありません)
1人目
ID:012345-0000
山田/太郎
ヤマダ,タロウ
2人目
ID:012346-0000
山田/太郎(野球)
ヤマダ,タロウ
3人目
ID:012347-0000
山田/太郎(~1923)
ヤマダ,タロウ
それぞれのファイルには、その人が書いた本が結びつけられていると、先に説明しました。
野球の本を書いた山田太郎さんの本を探したいとき、山田/太郎(野球)の個人名典拠ファイルから、そこに結び付けられた本をみると、同姓同名で別人の山田太郎さんの著書を除いたかたちでみることができます。より精度の高い検索ができますので、ぜひこの個人名典拠ファイルをご活用ください。