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典拠ファイルの優先名称の決め方~典拠のはなし~

こんにちは。
今月も「個人名典拠ファイル入門」の連載です。
第8回のテーマは、「優先名称(統一形)」の決定の仕方。
「優先名称」とは耳慣れない言葉ですね。今までの解説では、「見出し」という言葉を使っていました。

【復習】
個人名典拠ファイルとは?
・著者(その本を書いた人)
・被伝者(その本のテーマとなっている人)
を対象とするデータベース。人名一つ一つにファイルを作成しており、その人が書いた本、その人について書かれた本をリンクしています。著者と本を結びつけることで効率よく検索できたり、幅広く検索できたりします。とても便利な仕組みです。

作成しているファイルの見出しとなるのが
・典拠ID
・名前とそのヨミ
今回の記事では、名前とそのヨミの部分を「優先名称」と書き表したいと思います。

さて、その決定方法ですが、一定のルールに沿って作成しています。
かいつまんで解説すると、まずは一般的な名称をもつ現代の人物の場合。基本的には最初に出た本に書かれた名前の形を採用します。

次に、古典の人物の場合。本名以外にも、号であったり通称、屋号、法名、幼名や隠居名など、活動するジャンルや人生のステージによって複数の名前をもっています。本によっても書かれ方は様々。ですので最初に出た本に書かれた名前を一律採用とはしていません。ではどうしているか。

TRCでは、本に書かれた名前の形よりも上位の参考資料を決めており、それに載っている形を優先して採用するようにしています。
狂歌で知られる「四方赤良」も、調べてみると多くの参考資料で「大田南畝」で掲載されています。よって、本に「四方赤良」とあっても、優先名称は参考資料から「大田南畝」を採用します。
※参考記事→「江戸時代のうちの子

こちら↓は典拠班で使用している参考資料の一部です。
p20240112-1.jpg
今ではオンライン・データベースでの調査が多いですが、紙の資料の出番もまだまだあります。

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