「個人名典拠ファイル入門」の第9回です。
今回も個人名典拠ファイルの役割について解説していきます。
前回は「優先名称(統一形)」の決定の仕方でした。
優先名称(統一形)を決めるとき、図書とは別の形の名前が参考資料に出ていて、いくつかの候補の中から選択することがあります。
今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」で主人公のまひろ(紫式部)が、後に仕える「藤原彰子」を例にします。
参考資料を調査した結果「藤原彰子」よりも
「上東門院」で掲載されているものが多かったので、
優先名称(統一形)は「上東門院」と決まりました。
しかし候補に上がったものの、惜しくも選ばれなかった形
「藤原彰子」からも、優先名称(統一形)にたどりつけると便利ですね。
そこで、それらの名前に「こっちを見てね」という
参照機能を持たせるのです。
ID:1100123-0000(優先名称) 上東門院
1100123-4001(異形名称) 藤原/彰子
となります。
(※IDは実例ではありません)
これを直接参照といいます。
「藤原彰子」と検索しても、見出しは「上東門院」ですよ、と道案内をしてくれる。「ひとつの形に決める」と「いろいろな形から検索できる」という二つの目的にかなうシステムになっているのです。