新年度ということで、4月の木曜日は「わたしの新人時代」その3というテーマで各人の思い出を綴ります。といっても、もはや朧げな記憶なのですが。
入社してすぐの配属は、データ部新刊目録でした。
新刊図書の目録(MARC)を作成する部署です。
現在も同じですが、ここには毎日書店発売前のピカピカの新刊書がたくさん入荷します。会社で目録を作成した本が、数日経ってから書店の新刊書コーナーに並んでいるのを見かけた時は、ちょっと特別な体験をしているような気分になったものでした。
と同時に、いままで自分が読んでいた本は、出版される本のほんのほんの一部だったんだなぁということも実感しました。もちろん読書傾向が偏っている自覚はあったのですが、世の中に自己啓発本や釣りの本(当時)がこんなに多いとは!
さて。新刊書に囲まれる日々にときめく気持ちは持ちつつも...
大敵がありました。
データ部の新人時代を一言で表すとすれば、それは「修行」。
新人ひとりずつにOJTの先生がつき、やさしく丁寧に指導してもらえたので辛さはないのですが、やってることは毎日ひたすら目録作成修行です。
目録入力→わからない箇所のマニュアル確認→入力→入力→マニュアル→入力→間違えた箇所の修正(赤字)が戻ってきて説明を受け→マニュアル確認→入力入力入力入力→赤字赤字...
という繰り返し自体は良いのですが、しかし、日がな一日黙々と入力作業していると、午後にはどうしても眠くなる...
新人らしく緊張感を保とうと思ってもどうしても眠い...!
そんな大敵、眠気を紛らすアイテムが、当時はありました。
その名は「連帳プリンター」。(「れんじょうプリンター」と音だけで覚えていたので漢字が定かではありませんが、おそらく連続帳票の略ではないかと)
すでに「手書き」時代は終わりパソコン入力になっていましたが、当時はプリンターが独特で、ミシン目の付いた連続用紙にまとめてガガガっと印字したものが出力されていたのでした。
複数の本の目録が連続した用紙に出力されるので、1冊分ずつミシン目を切り離してチェックに回す必要がありました。
ミシン目を切り離すのはちょっと気持ちよく、若干の運動(?)にもなるので、眠たくなると立ち上がっては切り離し作業に精を出していました。気を利かせているふりをして。
そんなわけで新人時代というとミシン目の手応えを思い出します。
いまは普通に1枚ずつ出力されるプリンターなので、新人さんたちはどうやって眠気と戦っているのかしら...そもそも眠そうな感じも見受けられないので、えらいなぁと思っています。