昨年の夏から始まった「個人名典拠ファイル入門」の連載、いかがでしたでしょうか。
入門の名の通り、個人名典拠ファイルを知っている人だけでなく、知らない人にも
大まかなイメージを持っていただけるような解説になっていましたら幸いです。
復習用にこれまでの記事をまとめました。
下記リンクからお好きな項目へアクセスしてください。
▼個人名典拠ファイルとは
図書の著者や伝記・人物研究など本のテーマとして出現する個人名のデータベースです。
このデータベースは書誌情報のデータベースであるMARCとは別個に存在しています。
一定のルールに則ってひとつの形を見出し=優先名称(統一形)として決定しています。
典拠ファイルの優先名称の決め方
▼個人名典拠ファイルのしくみ
個人名典拠ファイルは主に典拠IDと優先名称である漢字形、カタカナ形から成り立っています。
個人名典拠ファイルには以下のような役割・機能があります。
・同姓同名を区別する
・異名同人をまとめる
・優先名称には選ばれなかった別の形でも探すことができるように参照機能を持たせる(直接参照)
・ペンネームの使い分けなど複数の名称を関連づける(相互参照)
・設立者と設立された団体や、音楽・文芸などの創作グループとその構成メンバーを結び付ける
関連(相互参照)や直接参照は、より便利に検索にお使いいただける個人名典拠ファイルならではのしくみです。
図書にある名前だけではなく、自分の知っている名前から図書を探す、ある著者の著書を漏れなく探す、という検索方法は、実はこのような個人名典拠ファイルの機能が支えていて、さまざまな角度から図書に辿り着くことができるようになっているのです。
今回の典拠入門シリーズはこの回をもって終了となりますが、今後も典拠の奥深い世界についてご紹介してまいりますので、お付き合いください。