9月の雑記テーマは「星」です。
子どもの頃のベストセラーに「星になったチロ」という本がありました。山奥に作った私設の天文台のお話で、天文台長は犬のチロ、星を愛する仲間たちが集って楽しい観測生活...のようなノンフィクションだったと思います。以前から図鑑を眺めて満天の星空や天の川、きれいな星雲を見たいな~などと思っていましたが、この本を読んで星をみる人って素敵かもしれないとほのかな憧れを抱きました。
が、大きくなって自分の目で星をみようとすると、そう簡単ではないことがわかりまして。
人里離れたお宿に泊まると必ず夜空チェックをしますが、曇天ばかりで見えたためしがありません。
何かの流星群が来るというので自治体主催の観望会に行ったこともありました。広場にビニールシートを敷いてわくわくしながら横になるまではよかったのですが、全く星が流れない。しかも星がどの方角から流れるかも定まらないというので、どちらを向いて寝ればよいのかわかりません。そのうち1時間に数回周囲から「おぉ!」という声があがるようになりましたが私の視界に流星が入ることはほぼなく、雨のように流れる星を期待していただけに非常にがっかりしたものでした。
もらいものの天体望遠鏡で月を見ようと頑張ったこともあります。YouTubeをみながら組み立てに1時間、月を視野に入れてピントを合わせるのに1時間。しかしすぐに飽きてしまい、静かすぎる夜空よりも眼下に広がる地上の天の川のほうが何だか楽しく思えました。夜空は数分で飽きてしまう...。
刺激に慣れ切った自分には、静かな夜空にロマンを見出して粘り強く眺め、きちんと計算して機器を調整する腕をもつ天体愛好家の方々が、人間としての格が一段上の、それこそ雲の上の人のように思えます。