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実は習っていました

3月の雑記のテーマは「伝統芸能」。
歌舞伎を取り上げた映画「国宝」の大ヒットにちなみました。

といっても、実は観ていないんです、「国宝」。知り合いにも驚かれたのですけれど、歌舞伎はちょっと苦手意識がありまして。思うに、歌舞伎よりも先にシンプルな狂言と能(能楽)を知ってしまったので、派手でにぎやかな歌舞伎に疲れてしまうのが原因かなと。

そんなわたしの狂言との出会いは大学生の時。サークルの勧誘期間中、キャンパスを歩いていたら、「狂言に興味ありませんか?」と声をかけられたのです。めちゃくちゃあやしい。ですが、直感的に「おもしろそう!」と思ったのですよね。教科書(国語の「附子」とか。いまは「柿山伏」かな?)レベルの知識しかなかったのに。こうして大学の部活で「狂言を習う」ことになったのです。

月に一回ほど、師範稽古というのがありました。稽古用の舞台がある場所へ伺って、師範に稽古を見てもらう回です。ふだんの学内での練習は先輩に教わったり、学生同士和気あいあいとした雰囲気でしたが、師範稽古は別格の厳しさ。まず正座してお辞儀をしてから舞台の上へ。(ちなみにこの時の格好はズボンなどの動きやすい服に白足袋。着物or浴衣ではありません)教わった台詞や動きを師範に見ていただきます。しっかり練習したつもりでも、見てもらいながらの稽古に緊張しきり。ときに「ちがう」という言葉が師範から飛んできます。とりあえずやり直す→「ちがう」、さらに焦りながらやり直す→「ちがう」
だいたい3回ぐらい「ちがう」が出たあとでしょうか。師範がおもむろに立ち上がって、学生の前で「こう!」「こう!」と実演してくださり。迫力に気おされつつ、必死でそれをまねしました。こわかった...。いまだに師範稽古で訪れた町に行くと、動悸がします。

プロフェッショナルな師範に直接習うことができたとか、自主公演では装束から道具から一式まるまるお貸しいただいて本番の舞台に立てたとか、めったにできない経験をしたものだとしみじみ思います。

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