さて、人名典拠の4回目、前回は同姓同名で別の人の管理の仕方を説明しました。
今週は、同じ名前なのにちがう書き方をしてきた人の例です。
同じ名前なのにちがう書き方とは?
有名な例ですと、よしもとばななさん。2002年吉本ばななから、よしもとばななへペンネームを変更しました。
「吉本ばなな」も、「よしもとばなな」もちがわないじゃないか、と人間なら思ってくれそうですが、コンピュータはもうちょっと融通が利きません。漢字がちがうから、そのままだと「吉本ばなな」と「よしもとばなな」を同じ名前という扱いにしてくれないのです。
だから人の手で、すでにある「吉本ばなな」ファイルに「よしもとばなな」ファイルをつなげる作業をするのです。
11000108251-0000 吉本/ばなな ヨシモト,バナナ
11000108251-0001 よしもと/ばなな ヨシモト,バナナ(注)
(注)典拠ファイル上の設定
この「-0001 よしもと/ばなな」を記述形といいます。
図書に記述された形、という意味。
こういった例は、実はけっこうあるのです。
斎藤さんの斎の字が次は齋(旧字)で書かれたとか、大人向けの本は漢字、子ども向けの本はひらがなと書き分けてるとか。
ちがう形で出てきても、同じ人と見破れるかどうか。長年の経験と勘が大切なのです。
企画記事:人名典拠