~図書館蔵書案内 vol.3~
こんにちは、図書館蔵書 小松です。
海の日を挟んで、2週間ぶりの図書館蔵書グループのご案内です。
今回もはりきってご紹介いたしますので
「図書館蔵書ってなんだっけ?」
なんてつれないこと言わずによろしくお願いいたします。
さて前回は、図書館蔵書で扱っている、いわゆる「古い本」についてご紹介しましたが、今回は「新しい本」のご紹介をします。
図書館蔵書で扱う新刊書は、一般の流通ルートに乗らない本、本屋さんの店頭に並ぶことがまずない本たちです。でも、何しろ流通しないだけに、ちょっとイメージしづらいのではないでしょうか?どんな本を扱っているのか、主なものを種類ごとに少しずつご紹介します。
■行政資料
中央官庁、地方自治体などの刊行物は、多くの場合非売品です。内容は議会の議事録、予算決算資料から、啓発資料、一般向けのリーフレットまで本当にいろいろ。
今ざっと棚を見回すと、介護福祉、男女共同参画、環境保護、地域活性化、食育などの資料が送られてきています。図書館蔵書としてはめずらしく現代社会を感じさせてくれるジャンルです。
変り種としては、遺跡の発掘調査報告書などもこのジャンルに入るでしょう。おびただしい量の報告書を見ると、つくづく私たちの生活は昔の人たちの生活の努力の上に成り立っているのだなぁと感慨にふけってしまう・・・暇はありません。細かな地名の読みを調べるのは本当に手間暇のかかる作業です。
(写真は地名の参考資料の棚、手前にちらっと写っている棚にもぎっしり並んでいます)
■図録
地味な図書館蔵書の棚の中で、ひときわ華やかな造りの本、変わった造りの本が多いのがこのジャンル。最近の展覧会の図録から、古い展覧会、郷土資料室の解説冊子にいたるまでいろいろな本があります。じっくり見られれば楽しいのですが、そういうわけにもいかないのがこの仕事のつらいところ。
そして、もうひとつのこのジャンルの本の特徴。それは図録の紙質。図録はよい紙でできているらしく、とても重いのです。1冊2冊ならともかく、ダンボール箱にぎっしりつまっていたりしたら、もう女性ばかりのメンバーの力では持ち上がりません。しかも、指に切り傷を作るのもたいてい図録を扱っている時。綺麗なバラには棘がつきものとはこのことでしょうか・・・。
■自費出版
「自分史を出版しませんか」「今まで作った短歌を1冊にまとめてみない?」
いっときの自分史ブームなどもあって、最近では誰でも自分の本を出版することができるようになりました。書店の店頭に並ぶものも多いようですが、図書館蔵書では図書館に寄贈された自費出版の本を取り扱っています。
MARCの上で自費出版の本の変遷を見ていくと、以前は、還暦、喜寿などの記念句集や、著名な人の自分史などが多かったようですが、最近は学齢前のお子さんの絵をまとめたものや、ティーンエイジャーの詩集、エッセイ集、サラリーマンの小説などもかなりの量があって、その幅広さには驚くばかりです。こういう本の中から、新しい文化が育っていくようなことがあったらすばらしいですね。
図書館蔵書で扱っている「新しい本」は、このようなものです。基本的に売っていないものだから、内容も見た目もかなり地味。したがって、新刊目録と比較すると、ほらこんなにも図書館蔵書の棚は地味なのです。
(新刊の棚)
(図書館蔵書の棚)