新刊目録「まど」係のお話、3回目です。
SB(ストック・ブックス)とは、図書館から必要とされそうな本を発売前から予想して在庫しておくことです。それによって素早いお届けが可能になります。発売前にあらかじめ出版社・取次へ発注しておくのが基本ですが、新刊見本がデータ部に入荷してから「この本SBにしよう」ということになるものも相当数あります。
仕入部ではこれから出版される本の情報収集に余念がありませんが、やはりすべての新刊書を発行前に把握するのは難しいのです。彼らはデータ部に入荷して、MARC作成作業が始まった図書をオンラインで見張っており、その中から「これは!」というものを見つけて発注します。
SBとその他の本では、MARCに入力する項目が少し違います。例えば『週刊新刊全点案内』誌上ではこんなふうに違います(写真)。「コレとコレ、追加でSBにします」という連絡をメールで受けると、SB係は本を探し、MARCをSB仕様に手直しします。
時には「どうしても実物を見たいのでこの本を探して」「分類が決まり次第すぐに知らせて」というような要望にも対応。児童書か一般書かによって発注の部数が大違いになるらしく、「大人も子どもも楽しめる本」というような、かわいらしい絵本や童話などに神経を使っているようです。
本の山の中から目指す1冊を探す…大変なんです。
MARC作成中にデータ部の人たちはいろんなことに気がつきます。「続き物でずっとSBにしている本なのに今回SBになっていない」「SBとして発注しているけど書き込み式だったり問題集だったりで図書館におすすめできない」「かわった装丁だけど装備はできるのか」などなど…。このようなことも「まど」とSB係が一括して仕入部にお知らせしています。
よい本をご紹介したい、そして品切れも返品もゼロに、と高い目標に向かって、仕入部・データ部の連携は毎日朝から晩まで途切れることなく続きます。