新刊目録「まど」係のお話、4回目(最終回)です。
朝9時に出勤すると、私の机の上には見覚えのない本が数冊積まれている、ということがよくあります。
データ部では朝8時から働いている人もいます。前夜に取次から届いた新刊見本を、入力基準にあっているかどうかチェックしているのです。以前、MARCができるまでの連載で「最初にして最大の難所」として紹介した作業です。
基準はあるものの、どうしても「これはいいのでは?いやダメかな?」などと迷うグレーゾーンの本がでてきてしまいます。そういうものが「まど」の机の上に積まれていきます。
発行日が古い、CDやCD-ROMが主体のよう、読者が書き込むページがある、ちょっと過激な写真集などなど。これらについて適宜判断し、新刊目録以外の部署でMARC作成するものはそちらにお願いし、MARC作成しないものは返品、おっとSBで発注してあるものは仕入部に連絡しなくては…。こんな具合に最終的に行き場所を決めるのが「まど」係の仕事。
出版社から直接届く本や、データ部のほかの部署からきた本もあります。新刊目録でMARC作成できるかな?
MARC作成をはじめた後、「その本、内容にミスがあって刊行が延びました!」などという連絡が入ることも。そういった本を探し出して取次に返却。再度、見本が入れば、また作業の流れに戻すということもしています。
本が多ければ、問題も多発。繁忙期にはいくつものイレギュラー案件を抱え、「これが全部スッキリ解決できる日がくるのだろうか」と途方に暮れたことも。でも1件、1件辛抱強く対処していけば、やがてはキレイに片付くものです。
「こんなこと、「まど」さんにお願いしていいのかなあ」「ハラダさんに訊いていいことかどうかわからないんですが」という前置きで、他部署や取引先から物事を尋ねられることも多くなってきました。「まど」はよろず相談所なのかなと思うこの頃です。その名のとおり、いつも機嫌のよい、相談しやすい窓口でありたいと思います。