先週はTRC MARCに2008年1月より新たに加わった項目、<児童用内容紹介>と<学習件名標目>についてご案内しました。
今回は学習件名標目として使うことばの管理の話です。
「MARCに学習件名標目を入力します!」といっても、実は何を入力するかが大問題。図書の表記そのままをMARCに入力してしまうと、「牛乳」「ミルク」etc.・・・同じ事柄をあつかっているのに図書によってバラバラになってしまいます。また、データ作成者がおもいおもいのことばを入力したらどうでしょう?同じ事柄をあつかっているのに作成者によって入力されていることばが違ってしまうということになりかねません。すると、「牛乳」で検索すると「ミルク」の図書はもれてしまったり、その逆がおこったりして、同じ事柄をあつかっている図書を網羅的に検索できなくなってしまいます。そんな事態を防ぐためにあるのが典拠ファイルの新メンバー<学習件名典拠ファイル>です。
学習件名典拠ファイルでは「統一形」としてMARCに入力することば=学習件名標目をもち、「参照形」として、学習件名標目として採用しなかった類義語・下位語・上位語などをもっています。統一形には末尾4桁が0000の典拠IDを、参照形には末尾4桁が4001~5999の典拠IDを与えて管理をしています。
この典拠ファイルによって、どんなことばが学習件名標目となっているのかが分かり、また、いろいろなことばから学習件名標目を参照できるというわけです。
参照形に類義語・下位語をもっていることで、いろいろな言葉から1つの学習件名標目にたどりつくことができます。
たとえば、「血」や「血清」といったことばからも学習件名標目の「血液」にたどりつけます。
また、参照形に上位語をもっていることで、1つのことばからいろいろな学習件名標目にたどりつくことができます。
たとえば、「歴史」ということばからは4つの学習件名標目にたどりつきます。そのなかから調べものの目的にあった学習件名標目をさがすことができます。
学習件名典拠とTRC MARCはそれぞれ典拠IDでリンクし、漢字形、カタカナ形などが一致しています。こうやって典拠ファイルとMARCをつなげて管理をしているわけです。
2週にわたり、新たにTRC MARCの項目に加わった<児童用内容紹介><学習件名標目>と、<学習件名標目>を活用するためのツール<学習件名典拠ファイル>のご案内をしてまいりました。新顔3点、是非ご活用ください。
今回はかなり駆け足の説明でしたが、学習件名標目についてはいずれMARC MANIAXで詳しくご説明する予定です。