図書の目録を作成するとき、情報源以外からも書誌情報を記述することがあります。
例えば、その図書とその図書の他の版や、他の図書との関係を説明する必要があるときは目録上に「注記」をします。
まえがきやあとがき、奥付ページの前後などにこうした情報が書かれていることがあるのです。(「日本目録規則」注記に関する事項 参照)
通常本を読むときには、この辺りをまじまじと見たり読んだりすることはあまりないかもしれません。
しかしながら目録作成においてはこの辺りの情報は要チェックなのでした。
「正確に速く」というのはTRCデータ部メンバーの永遠の課題でありますが、限られた時間でこうした所まで過不足なく目を通す能力が、私たちの仕事には求められます。
さて、ある本の新版が出たときにタイトルが変更された旨の情報を、図書のどこかに見つけたとします。すると例えば目録は‥
タイトル 国際技術ライセンス契約
版表示 新版
注記 初版のタイトル:国際ライセンスビジネスの実務
という風になります。
タイトルだけでなく出版者も変わったと仮定すると注記は
初版のタイトル等:国際ライセンスビジネスの実務(○○社 ○○年刊)
という形になります。
さらに、今回出版された本には版表示がついていないのだけれど、タイトルが変わって出版された、という時はどうなるでしょうか。
その場合は、注記が
「国際ライセンスビジネスの実務」(○○社 ○○年刊)の改題
という表記になります。(出版者が前と同じ場合は出版者名を省略します。)
また、タイトルは同じだけれど実は以前別の出版者から出版された本の改訂版だ、ということが図書中からわかることもあります。
その場合は
版表示があれば 初版:リブリオ出版 1995年刊
版表示がなければ リブリオ出版 1995年刊の改訂
のようになります。
選書の際などにご参考にしていただけたなら、私たちの日々の苦労も報われるというものです。