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2008年7月18日 アーカイブ

2008年7月18日

団体名の典拠もしています

~統一標目はこうして決まる(その2)~

前回までMARC MANIAX典拠では、東洋人・西洋人の人名典拠ファイルを話題にしてきました。第15回は、団体名典拠ファイルを取り上げてみようと思います。

本の著者は個人名と思いがちですが、団体が著者・編集の本もたくさんあります。
団体名は、原則としてその団体の正式名称を統一標目とし、採用しなかった名称から参照を行っています。

実際の図書の情報源は、内部組織や略称しかなく、どんな団体なのかわかりにくい場合があるため、統一標目は正式名称にしているのです。

■略称
統一標目 記述形
日本放送協会NHK
四国旅客鉄道JR四国
図書館流通センターTRC

■企業の部署名・支社
統一標目 記述形
ベースボール・マガジン社バドミントン・マガジン編集部
日立製作所日立製作所ソフトウェア事業部
茨城新聞社茨城新聞社日立支社

■国の行政機関・地方公共団体・教育施設
統一標目 記述形
文部科学省文部科学省初等中等教育局特別支援教育課
長崎県長崎県環境部自然保護課
北海道大学北海道大学工学部衛生環境工学コース
     

たとえば、
ソビエト連邦共産党中央委員会附属マルクス・エンゲルス・レーニン研究所(21000000935‐0000)
のように、各図書の表示が、まちまちであっても、正式名称の統一標目のもとに、記述形が集合することになります。

0001ソヴエト同盟共産党中央委員会附属マルクス・エンゲルス・レーニン研究所
0002ソ同盟M.E.L研究所
0003ソ同盟共産党中央委員会付属マルクス=エンゲルス=レーニン研究所
0004ソ同盟共産党中央委員会附属マルクス・エンゲルス・レーニン研究所
0005 M・E・L研究所
0006マルクス=エンゲルス レーニン研究所
0007ソ同盟共産党中央委員会所属マルクス・エンゲルス・レーニン研究所レーニン伝特別委員会
0008マルクス=エンゲルス=レーニン研究所
0009全ソ共産党中央委員会附属マルクス・エンゲルス・レーニン研究所
0010マルクス、エンゲルス、レーニン研究所
0011マルクス・エンゲルス・レニン研究所
0012マルクス・エンゲルス・レーニン研究所

同じ研究所でも、さまざまな表現がありますね。

いままで、典拠ファイル上の形について述べてきましたが、責任表示の採用の仕方は?と目録に立ち戻って考えてみますと、団体名の著者の場合、情報源によって表示の形が異なるときは、
もっとも詳しい形を入力するとなっています。
この点が情報源の多寡・優先順位にしたがって記述形を採用する個人名の著者と、異なるところですね。

団体名と言っても、国際機関、外国企業、病院、博物館、神社、寺院、漫才コンビ、CDに出てくる楽団・ロックバンド…などなどあらゆる団体名が出てきます。
お笑い、アイドルグループなど、知名度が上がる前の段階で、図書を手にすることも少なくないので、見極めが難しいこともあります。
それぞれ齟齬のないよう「こういった団体名は、典拠マニュアル団体編のどこに、どうしろとあったっけ?」と心の中で呟きながらマニュアルを確認しつつ、統一形を決定し、ファイルを作成しています。


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