前回までMARC MANIAX典拠では、東洋人・西洋人の人名典拠ファイルを話題にしてきました。第15回は、団体名典拠ファイルを取り上げてみようと思います。
本の著者は個人名と思いがちですが、団体が著者・編集の本もたくさんあります。
団体名は、原則としてその団体の正式名称を統一標目とし、採用しなかった名称から参照を行っています。
実際の図書の情報源は、内部組織や略称しかなく、どんな団体なのかわかりにくい場合があるため、統一標目は正式名称にしているのです。
統一標目 | 記述形 |
日本放送協会 | NHK |
四国旅客鉄道 | JR四国 |
図書館流通センター | TRC |
統一標目 | 記述形 |
ベースボール・マガジン社 | バドミントン・マガジン編集部 |
日立製作所 | 日立製作所ソフトウェア事業部 |
茨城新聞社 | 茨城新聞社日立支社 |
統一標目 | 記述形 |
文部科学省 | 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課 |
長崎県 | 長崎県環境部自然保護課 |
北海道大学 | 北海道大学工学部衛生環境工学コース |
たとえば、
ソビエト連邦共産党中央委員会附属マルクス・エンゲルス・レーニン研究所(21000000935‐0000)
のように、各図書の表示が、まちまちであっても、正式名称の統一標目のもとに、記述形が集合することになります。
0001ソヴエト同盟共産党中央委員会附属マルクス・エンゲルス・レーニン研究所
0002ソ同盟M.E.L研究所
0003ソ同盟共産党中央委員会付属マルクス=エンゲルス=レーニン研究所
0004ソ同盟共産党中央委員会附属マルクス・エンゲルス・レーニン研究所
0005 M・E・L研究所
0006マルクス=エンゲルス レーニン研究所
0007ソ同盟共産党中央委員会所属マルクス・エンゲルス・レーニン研究所レーニン伝特別委員会
0008マルクス=エンゲルス=レーニン研究所
0009全ソ共産党中央委員会附属マルクス・エンゲルス・レーニン研究所
0010マルクス、エンゲルス、レーニン研究所
0011マルクス・エンゲルス・レニン研究所
0012マルクス・エンゲルス・レーニン研究所
同じ研究所でも、さまざまな表現がありますね。
いままで、典拠ファイル上の形について述べてきましたが、責任表示の採用の仕方は?と目録に立ち戻って考えてみますと、団体名の著者の場合、情報源によって表示の形が異なるときは、
もっとも詳しい形を入力するとなっています。
この点が情報源の多寡・優先順位にしたがって記述形を採用する個人名の著者と、異なるところですね。
団体名と言っても、国際機関、外国企業、病院、博物館、神社、寺院、漫才コンビ、CDに出てくる楽団・ロックバンド…などなどあらゆる団体名が出てきます。
お笑い、アイドルグループなど、知名度が上がる前の段階で、図書を手にすることも少なくないので、見極めが難しいこともあります。
それぞれ齟齬のないよう「こういった団体名は、典拠マニュアル団体編のどこに、どうしろとあったっけ?」と心の中で呟きながらマニュアルを確認しつつ、統一形を決定し、ファイルを作成しています。